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循環器内科

冠動脈CTとは?心臓の血管を調べる造影CT検査を循環器内科医が解説

Author :循環器内科 北村健

胸の痛みや圧迫感、息切れがあると「心臓の病気ではないか」と不安になる方もいるでしょう。健康診断で心電図の異常や動脈硬化を指摘され、詳しい検査を考え始める方もいます。

冠動脈CTは、心臓に血液を送る「冠動脈」をCTで撮影し、狭心症や心筋梗塞につながる異常がないかを調べる検査です。造影剤を使って血管を見やすくし、冠動脈の狭窄や動脈硬化の状態を確認します。

この記事では、冠動脈CTとはどのような検査か、造影CTで何がわかるのか、心臓カテーテル検査との違いまで解説します。

冠動脈CTとは?心臓の血管を調べる造影CT検査

冠動脈CTは、心臓の血管を詳しく調べるためのCT検査です。
胸の症状がある方や、狭心症・心筋梗塞が心配な方に対して、冠動脈の状態を画像で確認する目的で行われます。

冠動脈CTとはどんな検査か

冠動脈とは心臓の筋肉に酸素や栄養を届ける血管です。この冠動脈が狭くなったり詰まったりすると、心臓に十分な血液が届かなくなり、狭心症や心筋梗塞につながります。

冠動脈CTでは、点滴から造影剤を注入し、冠動脈を画像上で見やすくして撮影します。血管の走行、細くなっている部分、石灰化の有無などを確認できるため、心臓の血管に異常がないかを調べる検査として使われています。

カテーテルを血管の中に入れずに冠動脈を確認できるため、外来で検査を受けられるケースもあります。ただ、造影剤を使用するため、腎機能やアレルギー歴などを事前に確認する必要があります。

なぜ冠動脈を調べる必要があるのか

狭心症や心筋梗塞は冠動脈の狭窄や閉塞が関係する病気です。
冠動脈が狭くなると、階段を上る、坂道を歩く、重い荷物を持つなど、心臓に負担がかかったときに胸の痛みや圧迫感が出ることがあります。

さらに冠動脈が詰まると、心臓の筋肉に血液が届かなくなり、心筋梗塞を起こします。心筋梗塞は命に関わる病気であり、発症前に冠動脈の状態を確認しておくことが大切です。

胸の症状がある方だけでなく、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙歴などがある方も、動脈硬化が進みやすい傾向にあります。冠動脈CTは、こうした背景を持つ方の心臓の血管を詳しく調べる方法の一つです。

冠動脈造影CTでわかること

冠動脈造影CTでは、心臓の血管がどのように走っているか、どこに狭い部分があるかを画像で確認します。胸の症状の原因を調べるだけでなく、今後の治療方針を考えるうえでも役立つ検査です。

冠動脈の狭窄や動脈硬化の状態

冠動脈造影CTでは、冠動脈が細くなっている部分や血管の壁に石灰化があるかを確認します。石灰化は動脈硬化が進んだ結果として見られる変化の一つです。

冠動脈が狭くなると、心臓の筋肉に届く血液が不足し、狭心症の原因になります。
狭窄の場所や程度を画像で確認することで、薬で経過をみるのか、追加検査を行うのか、カテーテル治療を検討するのかを判断しやすくなります。

心筋梗塞・狭心症の予防につなげるために確認できること

冠動脈CTではすでに狭くなっている血管だけでなく、動脈硬化がどの程度進んでいるかを調べるきっかけにもなります。冠動脈の石灰化や血管の変化が見つかった場合は、生活習慣や内服治療を見直す必要があるかを確認します。

心筋梗塞や狭心症は、症状が強く出てから初めて気づくケースもあります。
胸の症状がある方や生活習慣病がある方は、冠動脈の状態を早めに確認しておくことで、今後の治療や予防につなげやすくなるでしょう。

胸の症状がある方の原因確認に役立つ

胸の痛みや圧迫感、息切れがある場合はその原因が心臓にあるのか、それ以外の病気なのかを調べる必要があります。冠動脈CTは、冠動脈に狭窄がないかを確認する検査として役立ちます。

特に、労作時に胸が苦しくなる方や休むと症状が落ち着く方、胸の違和感を繰り返す方では、狭心症の可能性を考えて検査を行います。症状だけで判断せず、心電図や血液検査、心エコー、運動負荷試験などと組み合わせて原因を調べることが重要です。

心臓カテーテル検査と冠動脈CTの違い

冠動脈を調べる検査には、冠動脈CTと心臓カテーテル検査があります。どちらも心臓の血管を確認する検査ですが、方法や目的が異なります。

冠動脈CTは体への負担を抑えて行える検査

冠動脈CTは、カテーテルを血管内に入れず、CTで心臓の血管を撮影する検査です。点滴から造影剤を入れて撮影するため、心臓カテーテル検査に比べて体への負担を抑えて冠動脈を確認できます。この場合体への負担が少ないことを侵襲が少ないと表現するので、”低侵襲”な検査と言われます。

外来で受けられることも多く、検査時間も比較的短く済みます。胸の症状がある方や、狭心症が疑われる方に対して、まず冠動脈の状態を調べる検査として選ばれることがあります。

心臓カテーテル検査が必要になる場合もある

冠動脈CTで強い狭窄が疑われる場合や、治療が必要と考えられる場合には、心臓カテーテル検査を行います。心臓カテーテル検査では、血管の中に細い管を入れて冠動脈を直接調べます。

必要に応じて、そのままカテーテル治療につながることもあります。冠動脈CTは体への負担を抑えて血管を確認できる検査ですが、治療まで含めて詳しく調べる場合には心臓カテーテル検査が必要です。

症状や状態によって適した検査は異なる

冠動脈CTが適しているかどうかは、症状や体の状態によって変わります。不整脈がある方、腎機能に不安がある方、造影剤でアレルギーを起こしたことがある方では、検査方法を慎重に選びます。

また、胸の痛みが強い場合や、心筋梗塞が疑われる場合には、より迅速な対応が必要です。冠動脈CTと心臓カテーテル検査のどちらを行うかは、診察や検査結果をもとに医師が決めていきます。

冠動脈CT検査の流れ

冠動脈CTは、事前確認を行ったうえで造影剤を使って撮影します。ここでは検査の流れを簡単にご説明します。

検査前に行う確認

検査前には、症状や既往歴、現在飲んでいる薬、造影剤アレルギーの有無を確認します。腎臓の働きも大切な確認項目です。造影剤は腎臓から排出されるため、腎機能に問題がないかを調べます。

冠動脈CTでは心臓の動きに合わせて撮影するため、心拍数も確認します。必要に応じて、脈を安定させる薬や冠動脈を広げる薬を使うことがあります。

造影剤を使用して心臓CTを撮影する

撮影時には、点滴から造影剤を注入し、冠動脈が見えやすいタイミングでCTを撮影します。造影剤が入ると体が温かく感じることがありますが、通常は短時間で落ち着きます。

撮影中は息を止める指示があります。心臓や血管の画像をきれいに撮るためには、体を動かさず、指示に合わせて息止めをすることが大切です。

検査時間と当日の流れ

撮影そのものは短時間で終わることが多いですが、事前確認や点滴の準備、検査後の確認を含めると一定の時間がかかります。外来で行う場合でも、時間に余裕をもって来院すると安心でしょう。

検査後は画像をもとに、冠動脈の狭窄や石灰化、心臓血管の状態を確認します。結果を見ながら、経過をみるのか、薬を調整するのか、追加の検査や治療を考えるのかを説明します。

冠動脈CTを検討した方がよい人

冠動脈CTは、胸の症状がある方や、動脈硬化の危険因子を持つ方に検討される検査です。症状が強くない場合でも、背景に冠動脈の病気が隠れていることがあります。

胸の痛みや圧迫感が気になる方

階段を上ると胸が苦しくなる、歩くと胸が締め付けられる、休むと落ち着くという症状がある方は、狭心症の可能性が考えられます。胸の痛みが数分で治まる場合でも、繰り返す場合は注意が必要です。

胸の症状は、心臓以外の原因でも起こります。ただし、冠動脈の狭窄が原因であれば、早めに見つけて対応する必要があります。症状を自己判断で済ませず、循環器内科で原因を確認しましょう。

健康診断で異常を指摘された方

健康診断で心電図異常、動脈硬化、脂質異常、血圧の異常などを指摘された方も、冠動脈の状態を調べる対象になります。症状がなくても、動脈硬化が進んでいることがあります。

健診結果を見ても、何科を受診すればよいのかわからない方は多いです。心臓や血管に関係する指摘があった場合は循環器内科の医師までご相談ください。

高血圧・糖尿病・脂質異常症がある方

高血圧、糖尿病、脂質異常症は、冠動脈の動脈硬化を進める代表的な原因です。数値が高い状態が続くと、血管の壁に負担がかかり、狭心症や心筋梗塞につながる変化が進みます。

薬を飲んでいる方でも、冠動脈の状態を確認した方がよいケースがあります。特に複数の生活習慣病が重なっている方、喫煙歴がある方、家族に心筋梗塞や狭心症の方がいる場合は、早めの相談が大切です。

心筋梗塞や狭心症が心配な方

胸の症状がはっきりしていなくても、「家族が心筋梗塞を起こした」「生活習慣病がある」「最近息切れしやすい」といった不安がある方は、冠動脈の状態を調べることで安心につながります。

冠動脈CTは、心臓の血管を画像で確認できる検査です。病気の有無を自己判断するのではなく、必要な検査を受けて、今の状態を把握することが大切です。

東京Dタワーホスピタルの冠動脈CT検査

東京Dタワーホスピタルでは冠動脈CTを含めた心臓の検査について、循環器内科でご相談できます。また、予約状況により、受診当日に冠動脈CT検査を実施できます。胸の症状がある方や、健診で異常を指摘された方が早期に検査しやすい体制を整えています。

過去に私の初診でいらした患者様でも当日に冠動脈CTを行うことで、早期に治療を行うことができた方もいらっしゃり、大変感謝されたこともあります。

循環器内科医師が土曜日も対応

平日は仕事や家庭の予定で受診が難しい方もいます。

東京Dタワーホスピタルでは土曜日も循環器内科医師が対応しているため、平日に時間を作りにくい方でもご相談いただけます。

必要に応じて追加検査や治療相談にも対応

冠動脈CTで異常が見つかった場合、心電図、心エコー、血液検査、心臓カテーテル検査などを追加で行うことがあります。検査結果によっては、薬物治療や生活習慣の見直し、カテーテル治療の検討も行っていきます。

心臓の病気は、検査をして終わりではありません。結果をもとに、次に何をするべきかを決めることが大切です。東京Dタワーホスピタルでは、冠動脈CTの結果を踏まえて、今後の方針を医師とともに決めていくことができます。

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まとめ

冠動脈CTは造影剤を使って心臓の血管である冠動脈を調べるCT検査です。冠動脈の狭窄や石灰化を確認し、狭心症や心筋梗塞につながる異常がないかを調べます。

心臓カテーテル検査に比べて体への負担を抑えて行えるため、胸の症状がある方や健診で異常を指摘された方にとって、心臓の状態を確認する選択肢になります。ただし、症状や腎機能、造影剤アレルギーの有無によって適した検査は変わります。

東京Dタワーホスピタルでは土曜日も循環器内科医師が対応しています。胸の痛みや息切れ、健診異常が気になる方は、一度東京Dタワーホスピタルの循環器内科にご相談ください。

この記事を書いた人

北村 健

Takeshi Kitamura

脈の乱れや心房細動でお悩みの方は、ぜひ私たちの扉を叩いてください

2007 札幌医科大学 卒業後、2011 都内基幹病院にて不整脈診療の研鑽を積んだのち、2016 フランス・ボルドー大学 不整脈疾患研究所(LIRYC)へ留学。カテーテルアブレーションの世界的権威の下、最先端技術と新規デバイスの臨床研究に従事。
2018 杏林大学にて医学博士号(PhD)取得し、2026 東京 Dタワーホスピタル不整脈センター長 就任。

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