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脳神経外科 医療コラム

脳ドックとは?認知症予防に役立つ具体的な検査内容を解説

Author :院長 長谷川光広

最近、「もの忘れが増えてきた気がする」「将来の認知症が不安」と感じることはありませんか?

認知症は誰にとっても身近な問題であり、早い段階からの気づきや予防が重要とされています。
その中で注目されているのが、脳の状態を可視化し、将来の変化に備える「脳ドック」です。

この記事では「脳ドックとは何か」「認知症予防とどのように関係しているのか」、そして実際に行われている検査内容についてわかりやすく解説していきます。

脳ドックとは?認知症予防との関係

脳ドックは、脳の状態を画像などで確認し、将来の疾患リスクや変化を早期に把握するための検査です。特に近年では、認知症の予防や早期発見を目的とした検査への関心が高まっています。

認知症は発症前から脳の変化が進行していると考えられており、早期に脳の状態を知ることで、生活習慣の見直しや予防行動につなげることが重要とされています。

認知症予防を目的とした脳ドックの検査内容

脳ドックでは認知症予防や早期の変化を把握するために、目的の異なる検査が行われます。ここでは当院で実施している代表的な検査内容についてご紹介します。

BrainSuite®(ブレインスイート)とは?

BrainSuite®(ブレインスイート)は認知症予防研究から生まれた「認知症にならない健康脳づくり」「生涯健康脳」を実現するための未来を変えるMRI検査です。

頭部MRI画像を人工知能(AI)により解析し、東北大学による脳医学研究の成果をもとに、あなたの海馬の体積を測定します。その上で、脳の健康状態の維持・改善のためのアドバイスを海馬育成のサポートツール「MyBrain」にて提供することで「認知症にならない健康脳づくり」をサポートします。

この検査は認知症の診断そのものではなく、将来のリスクを把握し、予防行動につなげることを目的としている点が特徴です。

VSRAD®(ブイエスラド®)とは?

VSRAD®(ブイエスラド®)は、Voxel-based Specific Regional Analysis system for atrophy Detectionの略で、MRI画像データの特定領域を解析し、萎縮の程度を評価支援するシステムです。

VSRADによる検査を行うことで、脳の萎縮度を診断します。アルツハイマー型認知症は海馬傍回付近の委縮が最も早期にみられます。

(海馬傍回は記憶の形成・保持・再生をつかさどる非常に小さな領域です。)
※内側側頭部の萎縮の強さを4段階の数字で表します。

この検査は認知症の診断を補助する役割を持ち、他の検査と組み合わせて総合的に評価されます。

BrainSuite®とVSRAD®の違い

認知症に関する検査には、それぞれ目的の異なるものがあります。
BrainSuite®とVSRAD®も同じMRI画像を活用する検査ではありますが、役割は明確に異なります。

BrainSuite®は、健康なうちから脳の状態を把握し、認知症予防につなげることを目的とした検査です。一方、VSRAD®は脳の萎縮の程度を評価し、認知症診断の補助となる検査です。

つまり、BrainSuite®は「予防のために脳の状態を知る検査」、VSRAD®は「認知症の可能性を評価するための検査」という違いがあります。

項目BrainSuite®VSRAD®
検査を推奨される方 認知症を予防したい方
脳のパフォーマンスを維持したい方
日常的にもの忘れが気になる方
軽度認知症機能障害と既に診断されている方
受診年齢20代~80代
※特に30代~70代が推奨
50歳以上
診断目的健康なうちから定期的に海馬の大きさを測り、海馬の萎縮を抑えることで認知機能低下の予防行動に繋げていくアルツハイマー型認知症の早期発見及びレビー小体型認知症との鑑別に役立つ

※BrainSuite®は認知症の診断を目的とした検査ではありません。
※VSRAD®は診断の一助となる検査であり、単独で認知症と確定するものではありません。

認知症は複数の検査によって総合的に診断されます。

どんな人に脳ドックはおすすめ?

脳ドックで行う検査は目的によっておすすめされる対象が異なります。
自分が「予防を重視したい段階」なのか、「もの忘れが気になり評価を受けたい段階」なのかによって、適した検査の考え方も変わってきます。

BrainSuite®は、認知症を予防したい方や脳のパフォーマンスを維持したい方に向いています。受診年齢は20代〜80代ですが、特に30代〜70代の方におすすめされる検査です。

一方VSRAD®は、日常的にもの忘れが気になる方や軽度認知機能障害とすでに診断されている方に向いています。主に50歳以上の方を対象として、認知症の早期発見や評価の補助として活用されます。

このように脳ドックは「症状が出てから受ける検査」だけではなく、健康なうちから将来の認知機能低下に備えるための選択肢にもなります。自分に合った目的で検査を選ぶことが大切です。

脳ドックで行う海馬検査と認知症予防

脳は20・30代から年齢を重ねるごとに萎縮することが分かっており、運動不足、睡眠不足、ストレス過多、食事バランスの偏りなどにより脳の萎縮スピードが早まることが分かっています。

記憶をつかさどる海馬は生活習慣の改善を含めた予防行動により海馬の萎縮を抑えたり、大きくすることもできることが確認されています。

そのため、脳ドックで海馬の状態を把握することは単なる検査にとどまらず、今後の生活習慣を見直すきっかけにもなります。

※MCI:軽度認知障害(Mild Cognitive Impairmentの略語)は、認知症の前段階にあたる状態のことです。

まとめ

脳ドックは脳の状態を可視化することで、認知症の予防や早期発見につなげるための重要な検査です。

特にBrainSuite®のように、健康なうちから脳の変化を把握し、生活習慣の改善につなげる取り組みは、これからの認知症対策において大きな意味を持ちます。
一方で、VSRAD®のような検査は診断の補助として役割を果たし、より正確な評価につながります。

当院では認知症の診断・治療・予防に関する専門的な知識と経験を持った医師が、患者さん一人ひとりの状況に応じた最適な医療を提供しています。

認知症に限らず、脳の健康に不安を感じた際は、早めに専門医へご相談ください。



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この記事を書いた人

長谷川 光広

Mitsuhiro Hasegawa

最先端技術を駆使し人と社会をつなぐ医療の提供を

1983年3月金沢大学医学部医学科卒業後、米国ニューヨーク大学医学部リサーチフェロー(1986-88)、米国ピッツバーグアレゲーニ総合病院リサーチフェロー(1997)、2007年より藤田保健衛生大学(現藤田医科大学)医学部脳神経外科学教授を経て、2022 年より東京Dタワーホスピタル病院長。理事・世話人:日本脳腫瘍の外科学会、日本術中画像情報学会、日本整容脳神経外科学会、日本頭蓋底外科学会、WFNS Skull Base Surgery Committee

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