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大腸ポリープとは?原因と切除の重要性|放置リスクと検査・治療を解説
健康診断で「便潜血陽性」と指摘されたり「大腸ポリープが見つかりました」と言われて、不安を感じたことはありませんか?
症状がないまま見つかることも多く「すぐに治療が必要なのか」「放っておいても大丈夫なのか」と悩まれる方も少なくありません。
大腸ポリープは比較的よく見つかる病変ですが、その中には将来的に大腸がんへ進行する可能性があるものも含まれているため、原因や特徴を理解し、適切なタイミングで切除することが重要です。
この記事では大腸ポリープの説明から原因、切除の重要性について整理し、大腸がん予防の観点からわかりやすく解説します。
目次
大腸ポリープとは?
大腸ポリープは健康診断や内視鏡検査で見つかることの多い病変です。
まずはその基本的な特徴と種類について理解しておきましょう。
大腸ポリープとはどのような病変?
大腸ポリープとは大腸の粘膜にできる「いぼ」のように盛り上がった病変のことを指します。大きさ2~3mm程度の小さなものから20~30mmに及ぶものまでさまざまで、形も隆起型や平坦なものなど多様です。
多くの場合、自覚症状はほとんどなく、検査で偶然見つかることも少なくありません。
しかし、見た目だけでは良性か悪性かの判断が難しいため、発見された場合には適切な対応が必要になります。
腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープの違い
大腸ポリープは大きく「腫瘍性」と「非腫瘍性」に分けられます。
非腫瘍性ポリープには、炎症によって生じるものや加齢に伴う変化としてみられる過形成性ポリープなどがあり、一般的にはがん化の可能性は低いとされています。
一方、腫瘍性ポリープには「腺腫」と呼ばれるものや、すでに「がん化」している病変が含まれていることがあります。
特に腺腫は時間をかけて徐々に大きくなり、大腸がんへ進行することがあるため注意が必要です。
大腸ポリープの原因とリスク因子
大腸ポリープの発生にはさまざまな要因が関係しています。
ここでは主な原因とリスクについて解説していきます。
大腸ポリープの主な原因(生活習慣・加齢など)
大腸ポリープの原因としては、加齢が大きな要因の一つと考えられています。一般的に、50歳以上で発見される頻度が高くなります。
また、生活習慣も深く関係しており、下記のような要因がリスクとして知られています。
- 高カロリーな食事や肥満
- 赤肉・加工肉の過剰摂取
- 過度な飲酒
- 喫煙習慣
これらは大腸がんのリスクとも関連しており、ポリープの発生にも影響すると考えられています。
家族歴や体質との関係
血縁者に大腸がんの既往がある場合、そうでない方と比べて発症リスクが高くなります。特に親や兄弟、ごく稀に子どもに大腸がんの方がいる場合はより注意が必要です。
一昔前は、50歳頃から大腸内視鏡検査を勧められておりましたが、近年では、食の欧米化による若年の大腸がんの増加により、45歳からと言うのが標準になってきており、先に述べた家族歴のある方や、便潜血陽性の場合には、40歳から受けられる方も多くなってきています。
体質的な要因も関係するため、「症状がないから大丈夫」と判断せず、定期的な検査を受けるようにしましょう。
大腸ポリープを放置するとどうなるか
大腸ポリープは多くの場合無症状ですが、「症状がないから大丈夫」「小さいから様子を見ても問題ない」と自己判断してしまうと、将来的なリスクを見逃すことがあります。
ポリープから大腸がんへ進行する可能性
大腸ポリープのうち、特に注意が必要なのが腫瘍性ポリープです。
代表的なものに「腺腫」があり、これは発見時には良性の段階であっても、その後長い年月をかけて徐々に大きくなり、一般的に10mmを越えてくるとがんになる可能性が出てきます。
ポリープの段階で発見したら、医師と相談し、適切に切除することが大腸がんの予防につながります。
無症状で進行することの怖さ
大腸ポリープや早期の大腸がんがやっかいなのは、ほとんどが症状がないまま進行することです。
腹痛や下血などの症状があれば受診のきっかけになりますが、実際には健康診断等での便潜血検査をきっかけとした内視鏡検査で偶然見つかるケースが少なくありません。
便潜血検査が陰性であっても、内視鏡でポリープや早期がんが見つかることはあります。逆に言えば、症状が出るまで待ってしまうと進行してしまった状態で発見される可能性が出てきます。
症状がないからといって安心せず、まずは専門医のもとで検査を受けるようにしましょう。早い段階で見つけられれば、体への負担を抑えながら対応できる可能性も高くなります。
大腸ポリープはなぜ切除が重要なのか
大腸ポリープが見つかったとき、多くの方が気になるのは「本当に切除が必要なのか」という点ではないでしょうか?
症状がない状態で治療をすすめられると、正直迷ってしまうこともあると思います。
しかし、大腸ポリープの切除は、単にその場の異常を取り除くだけではありません。将来的な大腸がんの予防という意味でも、非常に重要な役割を持っています。
ここでは、なぜ切除がすすめられるのかを整理していきます。
切除によって大腸がんを予防できる
大腸ポリープの中でも、がん化する可能性があるものについては、ポリープの段階で切除すること自体が大腸がん発生の予防につながります。
がんになってから治療するのではなく、その前の段階で病変を取り除けることは大腸内視鏡検査の大きな意義の一つです。
内視鏡検査中に見つかったポリープの多くは、その場で切除することが可能です。
もちろん、すべてのポリープが同じように扱われるわけではありませんが「将来がんになるかもしれない病変を早い段階で取り除ける」というメリットは非常に大きいものです。大腸ポリープの切除が予防的な治療として位置づけられる理由もここにあります。
早期発見・早期治療のメリット
文献によると、大腸ポリープを切除することで、大腸癌の発生を76~90%抑制し、死亡率を53%低下させると報告されています。先にも述べましたように、がんになる前の段階でポリープを切除し、体内から取り除くことは、がんの発生を未然に防ぐことができ、内視鏡では切除できない段階である「進行がんまでポリープをお腹の中で育てないこと」が最大のメリットであります。まだ小さい段階(10mm未満)で発見できると、内視鏡で比較的スムーズに切除でき、入院や外科手術を避けられる可能性が高くなり、体や経済的負担を抑えれるという利点があります。
一方で、病変が大きくなったり、がん化して粘膜より奥に深く入り込んでしまったりすると、より大きな治療が必要になることがあります。そうなると、治療の身体的負担だけでなく、精神的な負担や日常生活への影響も大きくなります。
早期発見・早期治療は治療の選択肢を広げるだけでなく、結果として患者さんの安心にもつながります。
大腸ポリープの検査方法(早期発見のために)
大腸ポリープの多くは無症状のため、検査による発見が重要です。
ここからは、一般的に行われている検査方法とそれぞれの役割についてご紹介します。
便潜血検査でわかることと限界
便潜血検査は、便の中に血液が混じっていないかを調べる検査です。健康診断や自治体検診でも広く行われており、負担が少なく受けやすいのが特徴です。大腸がんのスクリーニングとして有用であり、まず最初の入口となる検査として多く利用されています。
ただし、便潜血検査には限界もあります。
進行大腸がんに対しては一定の感度があるとされる一方で、早期がんやポリープに対しては、当然ですが出血するくらいの大きさにまで成長しないと引っかかってこないことが多いです。なので、便潜血検査が陰性であったとしても、早期がんやポリープが存在しないとは言えません。陰性の場合でも年齢や家族歴などによっては内視鏡検査をおすすめされる場合があるはこのためです。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の重要性
大腸内視鏡検査は、大腸の中を直接観察できる検査です。
便潜血検査と異なり、ポリープの有無や形、大きさ、色調などを目で確認できるため、より精度の高い検査が可能です。
また大腸内視鏡検査では見つけたポリープをその場で切除できることがあります。
症状がなくても、一定の年齢になった方や家族歴がある方、便潜血陽性を指摘された方には特に大腸内視鏡検査をおすすめしています。
大腸ポリープの切除方法と治療の流れ
大腸ポリープは多くの場合、内視鏡を用いて切除することが可能ですが、ポリープの大きさや形、位置によって適した方法は異なります。
ここでは大腸ポリープの代表的な切除方法について解説します。
内視鏡によるポリープ切除(ポリペクトミーなど)
大腸ポリープの切除は、内視鏡検査中にそのまま行われることが多く、代表的な方法としてはポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術などがあります。
また、比較的小さなポリープ(10㎜未満)に対しては、当院もそうですが、熱を使わない方法で切除する治療が広く行われるようになっています。こうした方法は、従来の通電して切除する方法と違い、表層から奥深くにある血管を傷つけないため、穿孔はもちろん術後出血も少ないとされています。


ポリープの大きさ・形による治療の違い
大腸ポリープの治療法は、病変の大きさや形、がんの可能性の高さによって変わります。
比較的小さなポリープであれば外来の内視鏡で切除できることが多い一方で、大きな病変や出血リスクが高いもの、高度な処置が必要なものについては、より専門的な治療が必要になることもあります。
ポリープは「大きいから危険」「小さいから安心」と単純には言い切れません。見た目の特徴も含めて、総合的に治療方針を決めていくことが必要です。
例えば、陥凹型といって中心がくぼんだタイプのポリープは、5mm以下でもがんのことがあるため、切除されます。
切除後の注意点と合併症
内視鏡によるポリープ切除は比較的安全性の高い治療ですが、まれに術後出血や穿孔(腸に穴があくこと)などの合併症が起こることがあります。とはいえ、実際には重篤な合併症は多くありません。
ただし、合併症を防ぐためには、切除後の過ごし方も重要です。
術後は一定期間、飲酒や激しい運動を控えるようにしましょう。医師の指示に従い、適切に経過をみていくことが大切です。
東京Dタワーホスピタルでの検査・治療のご案内
当院では、大腸ポリープの検査から治療まで一貫した対応を行っています。
不安や疑問がある場合も、まずはご相談ください。
外来での診察後は必要に応じて内視鏡検査を行い、ポリープが見つかった場合には適切な治療を検討します。
検査や治療について不安がある場合でも、事前に医師と相談しながら進めることができますので、まずはお気軽にご予約ください。
まとめ
大腸ポリープは比較的よく見つかる病変ですが、その中には将来的に大腸がんへ進行する可能性があるものも含まれています。原因は加齢や生活習慣、遺伝などさまざまな要因が関係しています。大腸ポリープや大腸がんは、症状が出ないことが多いため、定期的な検査が重要です。
健康診断で異常を指摘された場合や、気になる症状がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。
この記事を書いた人
孫 敬洙
Kyonsu Son
専門分野 胃・大腸内視鏡
1996年に東京慈恵会医科大学を卒業後、関東中央病院で外科研修を開始。以降、富士市立中央病院、神奈川県立厚木病院、慈恵医大附属青戸病院などで外科後期研修を重ね、2001年には内視鏡科での研修も経験。その後は、慈恵医大附属各病院の救急部・外科で助教として勤務し、大学病院・地域病院の双方で幅広い臨床経験を積む。2009年以降は医長として複数の病院で外科診療を担い、2015年からはJCHO桜ヶ丘病院、2018年からは総合東京病院で外科科長として組織運営にも携わる。
2022年より東京Dタワーホスピタルにて消化器内科部長を務め、外科・内視鏡・救急の豊富な経験を活かしながら診療に従事している。

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