子宮細胞診とは？子宮細胞診検査の目的・流れ・結果の見方を解説

「子宮頸がん検診を受けてくださいと言われたけれど、どんな検査？」
「子宮細胞診って痛いの？」
そんな気持ちを抱えたまま、受診を迷っている方もいるのではないでしょうか？

今回の記事では、子宮細胞診とは何か・子宮細胞診検査で何がわかるのか・検査の流れをわかりやすくまとめました。

東京Dタワーホスピタルでも婦人科で子宮細胞診検査（子宮頸がん検診）を行っており、初めての受診の方でも安心して相談できる体制を整えています。
検査を知ることは、不安を減らす第一歩です。一緒に整理していきましょう。

子宮細胞診とは？

ここではまず、子宮細胞診の基本についてご説明します。

子宮細胞診検査の基本（子宮頸がん検診の一種）

子宮細胞診検査とは、子宮の出口（子宮頸部）の表面から細胞を少しだけ採取し、その細胞に異常がないかを顕微鏡で調べる検査です。
いわゆる「子宮頸がん検診」の中心となる検査で、多くの自治体検診や健診、人間ドックなどで行われています。

検査自体は内診台の上で細いブラシのような器具を使い、細胞を採取していきます。

子宮細胞診検査の主な目的は下記の2つです。

• すでに進行した子宮頸がんを見つけること
• その前段階である「異形成（いけいせい）」という、がんになる前の状態を早めに見つけること

つまり、子宮細胞診はただの「がん検査」ではなく、がんになる前の段階で異常の芽を見つけるための検査となります。

子宮頸がんと子宮細胞診の関係

子宮頸がんは子宮の入り口付近（子宮頸部）にできるがんで、ヒトパピローマウイルス（HPV）というウイルスの感染が主な原因とされています。HPV自体はとてもありふれたウイルスですが、その多くは自然に体から排除されます。

しかし、一部の人の中では子宮頸部の細胞に少しずつ変化が起こり、「異形成」と呼ばれる前がん状態を経て、何年もかけて子宮頸がんへ進行していくことがあります。

ここで活躍するのが子宮細胞診検査です。
子宮頸部から細胞を採取して顕微鏡で観察することで、

• 正常な細胞か
• 変化が始まっている「異形成」の細胞か
• すでにがんに近い細胞か

といったことを判断する手がかりになります。

子宮頸がんは初期のうちは自覚症状がほとんどない場合が多く、出血や痛みなどの症状が出たときには、すでに進行している場合も少なくありません。
症状がなくても、定期的に子宮細胞診検査を受けることが大切です。

なぜ定期的な子宮細胞診検査が重要か

子宮頸がんは、がんの中でも「検診によって予防・早期発見がしやすいがん」の一つだと言われています。

定期的に子宮細胞診検査を受けていれば、多くの場合、

• 異形成の段階で見つかる
• 初期のうちに治療の検討ができる

といったメリットがあります。

異形成の状態で見つかれば、経過観察や限局的な治療など、子宮を温存しながら対応できる可能性が高まり、結果として、妊娠や出産の可能性を残しやすくなることも大きなポイントです。

子宮細胞診検査の対象と検査を受けるタイミング

ここからは「子宮細胞診検査」をどの年代で、いつ頃から、どのくらいの頻度で受ければ良いのか」についてご説明します。

子宮細胞診検査の対象年齢と目安

子宮細胞診検査は一般的に20歳以上の女性に定期的な受診が推奨されています。自治体の子宮頸がん検診の案内が届くのも、この年代からが多いかと思います。

性交経験の有無に関わらず、子宮頸がん検診の対象になる場合がありますが、HPV感染は主に性交渉を通じて起こるため、性交経験のある方は特に検診が重要です。

• 性交経験がある
• 将来の妊娠・出産を考えている
• 過去に検診を受けたことがない

こうした方は、一度タイミングを見て子宮細胞診検査を受けておくと安心です。

「受けた方が良いのかわからない」という方も、遠慮なく婦人科でご相談ください。
東京Dタワーホスピタルでも年齢や生活状況に応じて、検診の必要性やタイミングを医師が一緒に考えていきます。

どのくらいの間隔で受ければ良い？

子宮細胞診検査の頻度について、自治体の検診では「2年に1回」が一つの目安になっていることが多です。ただし、これはあくまで一般的な基準であり、

• 過去の細胞診で軽度の異常があった方
• HPV検査でハイリスク型陽性だった方
• 持病や免疫の状態など、個別のリスク要因がある方

はもう少し短い間隔で検査をした方が良い場合もあります。

逆に、過去の検査結果が長期間良好で、特にリスクが高くない場合は、医師の判断で検診間隔を調整することもあります。

東京Dタワーホスピタルの婦人科では、単に「毎年受けてください」と機械的にお伝えするのではなく、これまでの検査結果やライフプラン（妊娠希望の有無など）もふまえて、一人ひとりに合った検診ペースを相談することが可能です。

妊娠前・妊娠中に子宮細胞診検査を受ける場合

子宮細胞診検査は、妊娠前・妊娠中のいずれのタイミングでも行われることがある検査です。

例えば、

• 結婚前の「ブライダルチェック」の一環
• 妊娠を考え始めたタイミング
• 妊娠初期の妊婦健診の一部

として、子宮頸がん検診（子宮細胞診）が行われることがあります。

妊娠中の子宮細胞診検査は、基本的には安全に行えるよう配慮されていますが、子宮や頸部の状態、妊娠週数などによって適切な方法・タイミングが変わることがあります。
そのため、妊娠中に検査を希望する場合は、必ず担当の産婦人科医と相談した上で実施するようにしましょう。

ブライダルチェックについては下記の記事もご覧ください。
『ブライダルチェックで何がわかる？検査内容と性病検査・受診の流れ』

子宮細胞診検査の流れと当日の注意点

ここからは子宮細胞診検査の流れや当日のポイントを整理していきます。

子宮細胞診検査の具体的な流れ

子宮細胞診検査は、一般的に次のような流れで進みます。

1. 受付・問診票の記入
   過去の検診歴、月経の状況、妊娠歴、持病や内服薬などを確認します。
   
2. 診察室での問診・説明
   医師が体調や気になる症状を聞き、子宮細胞診検査の内容や注意点を説明します。
   
3. 内診台での診察と細胞採取
   細いブラシや綿棒のような器具で細胞を採取します。
   
4. 検査終了・着替え
   細胞採取自体は数分程度で終わり、その後は着替えをして終了です。

麻酔は通常不要で、全体としては短時間で終わることが多いです。
医師や看護師が説明しながら進めていきますので、わからないことや不安な点があれば、その場で伝えるようにしましょう。

検査時の痛みや違和感について

子宮細胞診検査で多くの方が気になるのが、「痛いのかどうか」という点です。

個人差はありますが、一般的には、

• 腟鏡を挿入するときに「圧迫感」や「広げられる感じ」がある
• 細胞採取時に「こすられる感覚」や、軽い違和感を覚える

という感じで、強い痛みを感じることは少ないとされています。

ただし、緊張で体に力が入っていると、器具の挿入時に余計に痛みを感じやすくなることがあります。できる範囲で深呼吸をして、体の力を抜くことを意識すると、検査が受けやすくなります。

もし過去に「内診がとてもつらかった経験がある」、「痛みにとても敏感で不安が大きい」といった場合は、あらかじめ医師や看護師にその不安を伝えておくと、より丁寧に配慮しながら検査を進めてもらえます。

子宮細胞診検査前後の注意点

より正確な結果を得るために、子宮細胞診検査の前後にはいくつか注意しておきたい点があります。

検査前の主な注意点の例

• 月経中は、出血によって正確な細胞採取が難しいことがあります。

何か不安に感じることがあれば、お気軽にお問合せください。

具体的な期間や注意点は医療機関ごとに異なるため、予約時や受付時に必ず確認するようにしましょう。

検査後の注意点の例

• 検査後に、少量の出血やおりものの変化が見られることがありますが、多くは一時的なものです。
• 出血が多い場合、強い腹痛や発熱がある場合には、早めに受診するようにしましょう。

検査前後の過ごし方について不安がある場合は、そのままにせず、その場で聞いてしまうのが一番安心です。
東京Dタワーホスピタルでも、検査の前に注意事項をわかりやすく説明し、疑問にお答えするよう努めています。

子宮細胞診検査の結果と異常が見つかった場合

ここからは検査の異常が見つかった際の流れなどについてご説明していきます。

子宮細胞診検査の結果の見方

子宮細胞診検査の結果は、医療機関によって表示方法に差はありますが、おおまかに分けると、

• 明らかな異常はない（陰性）
• 少し気になる変化がある（軽度異常・境界病変など）
• はっきりした異常があり、追加の検査が必要（高度異常など）

という段階的な評価になります。

大切なのは、「今の状態で何が心配なのか」「次にどうするのか」という点を、医師からきちんと説明してもらうことです。

わからない言葉が出てきたときは、その場で遠慮なく聞いてみてください。

要精密検査と言われた場合の流れ

子宮細胞診検査の結果が「要精密検査」だった場合、多くはより詳しい子宮頸部の状態を調べる検査が行われます。

「要精密検査」と聞くと不安になるかもしれませんが、これは「現時点でがんと決まった」という意味ではなく、あくまで「より詳しく確認しましょう」という段階です。

東京Dタワーホスピタルでは、検査結果とともに、

• どの程度の異常なのか
• どの検査が必要なのか
• 検査や経過観察のスケジュール

を丁寧に説明し、患者さんと一緒に次のステップを考えていくことを大切にしています。

経過観察・治療が必要になるケース

子宮細胞診検査で異常が見つかった場合でもすぐに手術が必要になるとは限りません。

例えば、軽度の異形成が見つかった場合には、

• 精密検査
• 数か月〜1年程度の間隔で細胞診を繰り返し、状態の変化をチェック

といった慎重なフォローで様子を見ることもよくあります。

一方、異常の程度が強かったり、精密検査でがんやその疑いが強いと判断された場合には、

• 円錐切除術など、子宮頸部の一部を切除する治療
• 状況に応じたその他の治療

が検討されます。

治療の方針は、年齢・妊娠の希望・他の持病などを総合的に考慮して決めていくことが重要です。
不安や希望は我慢せずに医師に相談してください。

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東京Dタワーホスピタルでの子宮細胞診検査

子宮細胞診検査は結果の受け止め方や今後の方針がとても大切な検査です。
東京Dタワーホスピタルでは、婦人科専門医が、

1. 検査前に不安や疑問を聞き取る
2. 検査の必要性や内容をわかりやすく説明する
3. 検査後に、結果と今後の対応方針を丁寧にお伝えする
   ※2・3は保険診療の場合に実施

ことを大事にしています。

「異常なし」の場合も、子宮頸がんのリスクが低い状態であることや次の検診の目安を説明し、「要経過観察」や「要精密検査」の場合には、不安を一人で抱え込まないよう、今後の選択肢を一緒に整理しながら話を進めていくスタイルを心がけています。

「受けてみたいけど怖くて迷っている」という方も、どうぞ遠慮なくご相談ください。

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子宮細胞診検査のよくある質問（FAQ）

最後に子宮細胞診検査についてよくある疑問をまとめてご紹介します。

子宮細胞診検査は痛いですか？

強い痛みを感じることは少ないとされていますが、過去の経験や体質によって感じ方には個人差があります。

痛みが不安な場合は、検査前に「内診が怖い」「痛みに弱い」といった気持ちを、遠慮せずにお伝えください。医師・看護師が可能な範囲で配慮しながら検査を進めます。

生理中でも子宮細胞診検査は受けられますか？

出血によって細胞がきれいに採取できない可能性があるため、一般的には出血量が多い生理中は子宮細胞診検査を避けることが多いです。

生理のタイミングと検査予約が重なってしまいそうな場合は、事前に医療機関へ相談し、日程を調整してもらうのをおすすめします。

妊娠中に受けても大丈夫ですか？

子宮細胞診検査は、妊娠中でも行われることがある検査で妊婦健診の一環として実施されるケースもあります。

ただし、妊娠週数や子宮の状態によって、検査方法やタイミングの判断が変わることがあります。妊娠が判明している場合は、必ず担当の産婦人科医に相談した上で検査を受けるようにしましょう。

結果が出るまでどのくらいかかりますか？

子宮細胞診検査の結果がわかるまでの期間は、医療機関ごとの検査体制によって異なりますが、おおむね数日〜数週間程度が目安です。

東京Dタワーホスピタルでは、

• 再来院での結果説明
• 必要に応じた追加検査や治療の相談
  ※保険診療の場合

といった流れで、丁寧にフォローしていきます。
結果の受け取り方や説明の場については、受診時に確認しておきましょう。

まとめ

子宮細胞診は子宮頸部の細胞を採取して、がんやその手前の状態を早期に見つけるための検査です。
子宮頸がんは初期には自覚症状がほとんどないことが多く、定期的な子宮細胞診検査によって「見えないリスク」に気づくことができます。

東京Dタワーホスピタルの婦人科では、子宮細胞診検査を含む子宮頸がん検診に対応しております。

「しばらく検診を受けていない」「検査が怖くて先延ばしにしていた」という方も、この機会に一度ご相談ください。

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