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大動脈瘤の原因とリスクとは?破裂を防ぐために知っておくべき症状と予兆
Author :東京Dタワーホスピタル 心臓血管外科部長 木内 竜太

大動脈瘤は、進行しても自覚症状がほとんどなく、突然の破裂によって命に関わる可能性のある危険な疾患です。
この記事では大動脈瘤の症状・原因・リスクについて、特に「破裂のリスクをいかに避けるか」という観点からわかりやすく解説します。
目次
大動脈瘤とは?破裂のリスクを持つ「沈黙の病」
大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう:Aortic Aneurysm)とは、心臓から全身に血液を送る大動脈の一部がこぶ状に膨らんでしまう疾患です。
この膨らみは動脈の壁が弱くなることで生じ、進行すると破裂し、命に関わる重篤な出血を引き起こす可能性があります。
大動脈瘤が自然に小さくなることはなく、放置すれば破裂する危険が高まります。破裂後に行う治療の成績は極めて悪く、いかに早期発見・治療に結びつけるかが命を守る鍵となります。
大動脈瘤の症状とは?多くは無症状で進行
代表的な症状(破裂時)
大動脈瘤の多くは無症状で進行するため、「沈黙の病(Silent killer)」とも呼ばれます。自覚症状がなく、健診などで偶然見つかるケースが多いのが特徴です。
一方、破裂すると胸や背中、腹部、腰部などに激しい痛みを生じ、高確率で死に至ることがあります。痛みの種類は部位によって異なりますが、「突然の激痛」「冷や汗」「意識消失」などが典型です。
部位別の症状の違い
- ・胸部大動脈瘤:胸痛、息切れ、咳、声がかすれる
- ・腹部大動脈瘤:腹部の拍動性腫瘤、腰痛、腹部不快感
症状が現れたときには、すでに破裂のリスクが高い状態であることが多く、早急な医療介入が必要です。
大動脈瘤の主な原因
最も多い原因=動脈硬化
大動脈瘤の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化とは、血管内の壁にコレステロールなどが蓄積し、血管の弾力性が失われる状態です。
以下のような要因が動脈硬化を進行させ、大動脈瘤の発症リスクを高めます。
- ・高血圧
- ・喫煙
- ・糖尿病
- ・高脂血症
- ・睡眠時無呼吸症候群(近年関連性が示唆される)
先天的・後天的要因も関与
動脈硬化以外にも、以下のような要因が大動脈瘤の発症に関与します。
- ・遺伝要因:Marfan症候群、Ehlers-Danlos症候群などの先天性結合組織病
- ・血管の先天的異常:血管の起始異常
- ・その他:感染、血管炎、外傷など
これらの要因によって血管壁が脆弱になり、内圧に耐えきれず膨らみ、動脈瘤を形成します。
大動脈瘤のリスク要因|高リスク群とは?
生活習慣によるリスク
生活習慣は大動脈瘤の形成や進行に大きく関与します。下記のような習慣を持つ方は注意が必要です。
- ・喫煙(最も大きなリスク因子)
- ・高血圧
- ・運動不足
- ・高脂質・高カロリーな食事
生活習慣の改善によって、進行スピードを遅らせたり、予防につなげたりすることができます。
加齢・性別・遺伝など非可変要因
- ・年齢:65歳以上での発症率が高くなります。
- ・性別:男性に多く見られますが、女性でも高齢になるとリスクが増加します。
- ・家族歴:血縁者に大動脈瘤の既往がある場合は、定期検査が推奨されます。
まとめ|症状がなくてもリスクを意識しておくことが重要
大動脈瘤は気づかないうちに進行し、破裂時には命に関わる危険な疾患です。
症状がなくても、高リスク因子を持つ方は「もしかして」と思った段階で専門医を受診することが重要です。
次の記事では、大動脈瘤の検査方法について詳しく解説します。
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東京Dタワーホスピタルでは大動脈瘤の診断・治療に精通した心臓血管外科専門医が在籍しています。
少しでも気になる症状やご不安がある方は、お早めに当院までご相談ください。

この記事を書いた人
木内 竜太
Ryuta Kiuchi
専門分野 成人心臓血管外科全般
心臓血管外科部長の木内と申します。医学部を卒業後、現ニューハート・ワタナベ国際病院総長の渡邊剛先生が主宰する金沢大学心肺・総合外科に入局し、大学や関連病院にて研鑽を積み、現在に至ります。
今までの豊富な経験から、同じ疾患でも患者さんそれぞれの年齢、体力、病状等に応じて、最適な術式・アプローチをご提案させていただきます。
大切な心臓は一つしかありません。治療の事でお悩みならば、まずは当院にご相談ください。

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