脳神経外科

Neurosurgery

概要

概要

脳神経外科は脳・脊髄の病気を手術によって改善を図ります。当院では特に脳・脊髄腫瘍(脳、脊髄、稀な眼窩内腫瘍など)、血管が神経を圧迫しておこる三叉神経痛や顔面痙攣の外科治療に経験豊富な専門医が手術治療に力を注いでおります。神経内視鏡、ナビゲーションシステム、各種モニタリングなど最新鋭の機器を取り揃え、手術の困難な場所(頭蓋底部など)の病変を安全的確に対処いたします。脳動脈瘤を代表とする血管の病気には最新の治療法である脳血管内治療を用いて、一人ひとりに最適な治療法を組み合わせ最大の結果が得られるよう、常に努力をしております。

高度先進・特殊医療

  • 【神経内視鏡手術】【低侵襲手術】

    全国でも屈指の約1000例の神経内視鏡手術経験をもつ医師により、以下のよう低侵襲手術、高度な手術選択肢を提供することができます。 それぞれの患者さんにとって最も確実で、脳や体に負担が少ない手術法を選択しています。

    【鍵穴手術(かぎあなしゅじゅつ)】

    様々の部位の病変に対し、一般的な開頭手術の、数分の一の皮膚切開や開頭サイズで手術を行います。
    内視鏡を用いることで従来の開頭顕微鏡手術よりも深部の視認性が改善し、操作の確実性や安全性を高めるとともに、脳への圧迫も軽減することができます。
    見た目の創の小ささだけではなく、脳にやさしい、真の意味での“低侵襲手術”と言えます。

    【鍵穴手術(かぎあなしゅじゅつ)】
    【鍵穴手術(かぎあなしゅじゅつ)】

    髄膜腫(嗅窩部)

    髄膜腫(嗅窩部)

    髄膜腫(側脳室三⾓部)

    髄膜腫(側脳室三⾓部)

    聴神経腫瘍

    聴神経腫瘍

    【経鼻内視鏡手術】

    頭を切らずに鼻の穴から行う手術のため、髪を切ったり開頭をしたりする必要がありません。
    下垂体腫瘍(かすいたいしゅよう)に対して行うことが多い手術ですが、近年は頭蓋底部の髄膜腫や頭蓋咽頭腫、眼窩内腫瘍など、様々な疾患に対して行われます。
    鍵穴手術と経鼻手術を同時に行う、開頭-経鼻同時手術を行うこともあります。

    【経鼻内視鏡手術】

    髄膜腫

    髄膜腫

    下垂体腺腫
    (鍵穴-経鼻同時手術)

    下垂体腺腫 (鍵穴-経鼻同時手術)

    頭蓋咽頭腫

    頭蓋咽頭腫

    【透明チューブリトラクターを用いた内視鏡手術】

    脳深部の病変に到達するためには、どうしても脳を切開しなければなりません。内視鏡とチューブリトラクターを用いることで、従来の顕微鏡手術よりはるかに小さい皮膚切開、脳切開で手術を行うことができます。
    下に例示したグリオーマの方のように大きな病変を摘出する場合でも、脳の切開は1-1.5㎝程度に抑えることができるようになっています(正確には、この方では脳表は切らず脳の溝から入ることで、さらに低侵襲な手術を行っています)。

    【透明チューブリトラクターを用いた内視鏡手術】

    グリオーマ
    (膠芽腫)

    グリオーマ (膠芽腫)

    【三叉神経痛や顔面けいれんに対する、内視鏡下微小血管減圧術】

    三叉神経痛や顔面けいれんは、脳神経が周囲の血管によって圧迫され、拍動刺激を受け続けることによって、激しい顔の痛みを感じたり、自分の意思と関係なく顔面が動いてしまったりといった症状が出現する疾患です。
    治療には内服薬、ボトックス注射(顔面けいれんの場合)、放射線手術(三叉神経痛の場合)、手術などの選択肢があり、それぞれに長短所がありますので、患者さんごとに治療方針を相談して決定しています。
    手術の場合、当院では神経内視鏡下に微小血管減圧術を行うことによって、脳への圧迫を軽くするとともに、神経周囲をより詳細に観察して手術の確実性・安全性を高めています。神経機能を守るため、手術は術中神経モニタリング下に行われます。

    神経内視鏡を用いることで深部の視認性が格段に改善し、神経の裏側の血管(⽩⽮印)や、脳幹に入る血管(⻘⽮印)を詳細に観察し、より安全・確実な手術ができるようになっています。

    神経内視鏡を用いることで深部の視認性が格段に改善し、神経の裏側の血管(⽩⽮印)や、脳幹に入る血管(⻘⽮印)を詳細に観察し、より安全・確実な手術ができるようになっています。

    (術前)

    三叉神経を圧迫していた血管(赤矢印)が移動しています。
    10年以上痛みに悩んでおられた方でしたが、直後から痛みは消失しました。

  • 【脳血管内治療】

    これまでは開頭手術でしか治療をする事が出来なかった脳動脈瘤や頸動脈狭窄症に対してカテーテル治療が可能となりました。

  • 【成人脊柱変形症】

    先進的な手術用ナビゲーションと術中画像検査法が可能なハイブリッド手術室を使用し、必要最低限の傷で従来よりも安全なインスツルメンテーション治療(手術用ネジ等による矯正治療)が可能となりました。

主な対象疾患

脳腫瘍

私たちは、脳腫瘍の中でもさまざまな場所に発生する髄膜腫の外科治療の経験が豊富です。各種、高度医療機器を用いて安全な治療をめざしています。内視鏡手術を組み合わせ体に負担の少ない治療を心掛けております。

顔面けいれん、三叉神経痛

主に血管が神経を圧迫をすることにより発症しますが、その他の原因によっても生じますので、見極めが大切です。我々は高度医療機器を駆使して、原因を特定して外科治療が必要かを慎重に判断します。

脳梗塞予防

解像度の高い診断機器を用い頸動脈狭窄の診断と評価を丁寧に行い、内科治療、外科治療(内膜剥離術)、血管内治療(ステント留置)のいずれが最適かを判断し脳梗塞を予防します。

くも膜下出血

予防に勝る治療はありません。脳ドックを積極的に行い、主な原因の脳動脈瘤を早期に発見し、くも膜下出血の危険性を評価します。必要に応じて開頭手術(クリッピング術)、血管内治療(コイル塞栓術)を施行します。

正常圧水頭症

認知症の中には外科治療で改善が期待できる疾患が隠れています。早期に発見する事で改善の機会が増加します。画像診断機器によりこれらの疾患を見極め、時期を逸せずに治療します。

脊椎疾患

長寿に伴い背骨の変形による腰痛や歩行障害が日常生活を困難にし、介護の必要を高めています。頚椎症、腰椎症、圧迫骨折、成人変形性脊椎症が代表的な疾患で、当院ではこれら疾患に対する外科治療をを脳神経外科いが担当しています。
当院脳神経外科医師は、経験豊富な脳神経外科学会指導医、専門医師です。ご案内させていただいた以外のあらゆる脳神経外科疾患に対しても随時対応しておりますので、御心配な事をご相談ください。

主な検査

【CT検査】

320列CT検査装置を導入し、以前の機器よりも短時間で少ない放射線照射量で検査ができるようになりました。

【MRI検査】

一般的な磁場強度である1.5テスラMRI装置よりも解像度の高い3テスラMRI装置を導入し、病気の早期発見に貢献しています。

【血管撮影装置】

放射線照射量を低減しながらも高精細な画像が得られる装置を導入により、検査時間の短縮、微細な病変の描出、放射線被曝量の軽減を実現できました。

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