慢性疼痛について
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慢性疼痛とは?
慢性疼痛とは、「急性疾患の通常の経過あるいは創傷の治癒に要する妥当な時間を超えて持続する痛み」と定義されていまます。ここで相当な時間としては、3ヶ月、または、6ヶ月が挙げられています。
はじまりは外傷などに伴う急性疼痛であることが多いのですが、急性疼痛から慢性疼痛に移行しても、末梢組織に引き起こされた病態が脳で経験する痛みに関与しています。また、複合的な要因で慢性化と移行していることが多く、骨の変形や関節障害、神経の障害などの『器質的要因』のほかにも、ストレスなどの『心理的・社会的要因』が関わっていることも少なくありません。
痛みを感じると訴える部分を検査しても明確な異常が見られず、治療は、保存療法として投薬療法(内服薬、貼り薬、神経ブロック、髄腔内持続注入など)、理学療法(温熱療法、牽引療法、マッサージ、はり治療)、物理療法(レーザー治療、直線偏光近赤外線治療など)、カウンセリングなどの心理療法が中心となっており、根本治療がないのが現状です。
さらに、痛みを感じることが精神的な負担となって、痛みへと過敏になる悪循環に陥ることもあり、深刻なクオリティ・オブ・ライフ(QOL)低下をもたらすことになっていることも少なくありません。
再生医療を用いた慢性疼痛の治療
上記のように、慢性疼痛の治療はいずれも対症療法が主で、根治療法がないのが現状です。そのような中、近年注目されているのが、皮下脂肪由来細胞を用いた再生医療です。これまでさまざまな治療法を試みたにもかかわらず、慢性疼痛が改善しない方へ一つの選択肢としてご提案いたします。
再生医療は対症療法ではなく、からだの自然治癒力を利用して組織を再生する最先端の慢性疼痛治療です。幹細胞による抗炎症作用と創傷治癒能力の働きにより、慢性疼痛の症状改善をはかります。
痛みを改善することで、慢性疼痛の症状に伴う不安、抗うつ状態、行動意欲の低減、不眠などの緩和も目指します。
さらに、痛みの軽減による「生活の質の向上(Quality of Life: QOL)」も期待出来ます。
治療対象
当院は、「慢性疼痛に対する脂肪組織由来幹細胞移植治療」に対し、厚生労働省に再生医療等治療計画を受理され、再生医療第二種の施設認定を取得しております。
治療を受けられるのは、下記の慢性疼痛患者で、標準治療で疼痛緩和効果が認められない方、または副作用等により標準治療を希望しない方が対象となります。
適応基準
1.長期間にわたり侵害刺激が加わり続ける侵害受容性疼痛を患っており、他の標準治療法で満足のいく疼痛緩和効果が認められなかった患者
2.初期の神経障害が消失した後に長期間持続する神経障害性疼痛(末梢性・中枢性)の方
3.侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛が混在する混合性慢性疼痛の方
4.痛みの原因となる組織病変が存在しない自発性慢性疼痛の方
5.1~4の慢性疼痛に対し、副作用等の懸念により、標準治療で用いられる薬物による治療を希望しない方
6.医師の説明を十分理解できる方
7.18歳以上、85歳未満の方
8.脂肪採取に十分耐えられる体力および健康状態を維持されている方
9.本治療に関する同意説明⽂書を患者に渡し、十分な説明を行い、患者本人の⾃由意思による同意を文書で得られた方(患者ご本人の同意能力がない場合には、代諾者が文書にて同意いただける方)問診、検査等により担当医師が適格性を認めた方
除外基準
1.慢性疼痛のうち、心因性疼痛と診断された方
2.循環動態の不安定な方
3.敗血症、出血傾向または感染症が現れるリスクが高い血液疾患の合併または疑いのある方
4.進行性腫瘍、化学療法、放射線療法、それ以外の癌治療を受けている方
5.抗凝固薬、抗血小板薬などを服薬している方で、一時中断できない方
6.その他、主治医が不適と判断した方
予想される副作用及び合併症
・脂肪吸引に伴う合併症
吸引部位の炎症反応(痛み、赤み、腫れなど)、皮下出血、硬縮、瘢痕、色素沈着等が生じる場合があります。脂肪を採取した後、弾性包帯によってしっかりと圧迫することで、腫れやむくみを最低限に抑えます。また、内出血の低減や皮膚が動くことによる痛みが軽減されます。
・細胞投与に伴う合併症
細胞投与部位に、腫れ、痛み、皮下出血、しこり等が発生することがあります。また、局所投与後に発熱をする場合がありますが、概ね24時間以内に解熱します。
費用について
この治療は保険が適応されない自由診療となるため、全額自費診療となります。
内容 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
脂肪組織由来再生(幹)細胞治療(ADRCs) :非培養 | 2,200,000円 (税込) | |
脂肪組織由来再生(幹)細胞(ADSCs) :培養 | 2,200,000円 (税込) | 培養個数: 1億個 投与回数: 2回 保存期間: 6か月以内 |
※上記値段には、カウンセリング料、スクリーニング検査(MRI検査、レントゲン、血液検査など)、脂肪採取、細胞移植費用等が含まれています。培養に関しては、培養個数、投与回数及び保存期間に応じて値段が異なるためお問い合わせください。
当院では、低侵襲(痛みを最小限に抑える治療)で合併症の少ない治療の提供を提供しておりますので、是非1度当院を受診して頂き、担当医にご相談下さい。