変形性関節症について

Osteoarthritis

変形性関節症とは?

変形性関節症とは、何らかの原因によって関節表面の軟骨(クッション)がすり減り、関節の変形と痛みにために可動障害や歩行障害をきたす病気のことです。

関節は骨と骨のつなぎ目で、軟骨というクッションの役割を持つ組織が存在します。本来ならば、関節に力が加わっても痛みが出ることはありません。しかし、軟骨が摩耗するなどのことがあると正常な機能を果たせなくなり、関節を動かすときに痛みが出るようになります。さらに悪化すると安静にしていても痛みを伴うようになり、睡眠が妨げられる場合もあります。

変形性関節症はあらゆる関節に発症する可能性がありますが、とくに負荷のかかりやすい関節に発症しやすい傾向があります。

部位としては、膝関節(変形性膝関節症)、股関節(変形性股関節症)、肘関節(変形性肘関節症)、手足の指関節(変形性指関節症)、手の親指の付け根(母指CM関節症)などです。


変形性関節症の原因

加齢や関節の酷使、体重の負荷、過去に靱帯損傷、骨折などの怪我をしたことにより軟骨がすり減って発症する場合もあり人によって様々です。


変形性関節症の治療方法

基本的には軟骨が残存している患者さんは、保存的治療(リハビリ、ヒアルロン酸の注射など)などの治療がおこなわれます。しかし、多くの場合、病状の進行が止められず、徐々に効果が得られなくなります。保存的治療に効果がない、変形の程度が強い方は、体の負担の大きい手術の適応になる場合が少なくありません。



変形性関節症の再生医療について

このように、内服薬や保存的治療を行っていても、痛みが続く、生活動作自体が困難になってくるなど効果が得られないが、他に選択肢がない。また人工関節手術をすすめられているが決心がつかず、他の治療法をお探しの方にお勧めしておりますのが、再生医療という治療です。

症状の進行・悪化を食い止めるだけでなく、機能回復( 悪化前の状態に戻すこと)までを視野に置いて治療を行います。


治療対象

当院は「変形性関節症に対する脂肪組織由来幹細胞移植治療」に対して、厚生労働省に再生医療等治療計画を受理され、再生医療第二種の施設認定を取得しております。
※変形性膝関節症においては、非培養と培養の治療が可能です。
治療を受けられるのは、下記の変形性関節症で、外傷や事故、加齢に伴い関節機能障害をきたした組織に対し、標準治療を施すも改善が見られない方、または再建手術や修復手術による機能改善を希望しない方が対象です。


適応基準

1.変形性関節症の診断を受けた方(原疾患も含む)
2.18歳以上、85 歳未満の方
3.除外基準を含まない方
4.処理に必要な脂肪吸引量の採取が可能な方
5.本治療について文書による同意が得られている方

除外基準

1.感染創、悪性腫瘍や関連疾患による創傷を有する方
2.明らかに感染を有する方
3.発熱を伴った方
4.進行性腫瘍、化学療法、放射線療法、それ以外の治療を受けている方
5.重篤な合併症(心疾患、肺疾患、肝疾患、腎疾患、出血傾向、敗血症、重度の貧血、コントロール不良な糖尿病、高血圧症など)を有し、医師が不適と判断した方
6.大量ステロイドや免疫抑制剤を内服中の方
7.抗凝固薬、抗血小板薬を服薬されている方で、一時中断できない方
8.薬剤過敏症の既往歴を有する方
9.妊婦、授乳婦および妊娠の可能性のある方
10.認知機能に問題があり、本人からの同意が得られにくい方
11.その他担当医が不適切と判断した方


予想される副作用及び合併症

脂肪吸引に伴う合併症

吸引部位の炎症反応(痛み、赤み、腫れなど)、皮下出血、硬縮、瘢痕、色素沈着等が生じる場合があります。脂肪を採取した後、弾性包帯によってしっかりと圧迫することで、腫れやむくみを最低限に抑えます。また、内出血の低減や皮膚が動くことによる痛みが軽減されます。


細胞投与に伴う合併症

細胞投与部位に、腫れ、痛み、皮下出血、しこり等が発生することがあります。また、局所投与後に発熱をする場合がありますが、概ね24時間以内に解熱します。


費用について

この治療は保険が適応されない自由診療となるため、全額自費診療となります。

内容対象疾患金額備考
脂肪組織由来再生(幹)細胞治療(ADRCs)
:非培養
変形性膝関節症2,200,000円
(税込)



脂肪組織由来再生(幹)細胞(ADSCs)
:培養
変形性関節症2,200,000円
(税込)
培養個数: 1億個
投与回数: 2回
保存期間: 6か月以内

※上記値段には、カウンセリング料、スクリーニング検査(MRI検査、レントゲン、血液検査など)、脂肪採取、細胞移植費用等が含まれています。培養に関しては、培養個数、投与回数及び保存期間に応じて値段が異なるためお問い合わせください。


当院では、低侵襲(痛みを最小限に抑える治療)で合併症の少ない治療の提供を提供しておりますので、是非一度当院を受診して頂き、担当医にご相談下さい。

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